みなさまこんにちは、摂津市の司法書士の柴田です。
今回のお話は、茨木市に在住の方からご相談いただき、家庭裁判所へ成年後見申立てを行い、その後、相続人全員と成年後見人である私が遺産分割協議を行い、銀行の預貯金・証券会社の株式等の相続手続きを行ったといったお話です。
銀行における預貯金の相続手続き・ご自宅の名義変更手続き(相続登記)などの相続手続きの際に、「成年後見申立て」を考えなければならない時はどのような時でしょうか?
亡くなられた方の預貯金の相続手続きのために銀行を訪れた際に、銀行員から「相続人の方の中に認知症の方はいませんか?」と尋ねられることがあります。
これは、銀行の預貯金の相続手続きに限らず、相続財産の相続手続きをするには、原則として「遺産分割協議」が必要であり、その際に、相続人の中に認知症の方がおられれば、その方のために「成年後見人」を選任しなければ、遺産分割協議を成立させることができず、相続手続きも進めることができないからです。
認知症などによって判断能力が減退し又は欠けた状態にある方が契約などの重要な法律行為を行おうとすると、正しい判断ができず、結果として不利益を受ける恐れがあります。そこで、本人に代わって契約の締結や財産管理などをおこない、適切な意思決定が困難な方を法的に支援するのが成年後見人です。成年後見人は、成年後見制度に基づき家庭裁判所により選任されます。
相続手続きをするには、亡くなられた方が「遺言書」を残されている場合などを除き、原則として相続人全員による「遺産分割協議」が必要になります。その際に、相続人の中に認知症の方がおられれば、その方のために「成年後見人」を選任する必要があります。
なぜ、成年後見人の選任が必要なのでしょうか?それは、判断能力の衰えている認知症の相続人に不利益が及ばないようにする必要があるからです。
「不利益が及ばない」とはどういうことか?具体的には、選任された成年後見人は、遺産分割協議に参加し、本人(認知症である相続人)のために、原則として法定相続分以上の相続分を確保することになります。
もちろん、本人(認知症である相続人)の意思がそれとは異なる場合は、必ずしも法定相続分を確保しないこともあり得ますが、後見人としては、本人の利益を第一に考えますので、原則として法定相続分以上の相続分を確保することになります。
では、成年後見人には誰が選ばれるのでしょうか?
結論から申し上げますと、成年後見人には「誰でも」なることができます。認知症の方のお子様やご兄弟などの親族後見人をはじめ、弁護士、司法書士などの法律の専門家、社会福祉士などの福祉の専門家など、どなたでも後見人になることはできます。
ただ、成年後見人を選任した場合の注意点がいくつかあります。
当事務所では、北摂地域(摂津市、茨木市、高槻市、吹田市、島本町)を中心に、相続・成年後見業務を積極的に行っています。また、全国どこの不動産の相続登記に関するご相談にも対応しております。
相続手続き・成年後見でお困りの方、お悩みの方はお気軽に当事務所までお問合せください。
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